ここで、改めて「村上ファンドとは」というおさらい、新たな運営会社「C&Iホールディングス」とは一体どんな投資ファンドなのか?また、長女の村上絢さんとはどんな人物なのかまとめています。
村上世彰ら、相場操縦の疑いにて強制調査
「もの言う株主」として知られ、旧・村上ファンドを率いた村上世彰元代表が複数の銘柄の株式を市場で大量に売るなどして株価を意図的に下げるなどの相場操縦をした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会は25日、村上元代表や投資会社を運営する長女の自宅などを捜索し強制調査に乗り出しました。
NHKニュース
村上ファンドとして有名な村上世彰元代表が株価を意図的に下げるなどの”相場操縦をした疑い”で、村上元代表や投資会社社長の長女である村上絢(あや)氏の自宅などの強制調査に乗り出しました。
「村上ファンド」とは
村上ファンド(むらかみファンド)とは、元通商産業省官僚の村上世彰、元野村證券次長の丸木強、元警察庁官僚の滝沢建也らが率いていた、投資、投資信託、企業の買収・合併に関わるコンサルティングを行っていたグループの通称である。
wikipedia.org
村上ファンドは、「もの言う株主」として注目を浴びることとなった村上世彰氏が代表を務め、当時の運用資産額は4000億を超えるほどでした。
そのうち3705億円が海外の大学財団などから、残り739億円が国内のオリックス、農林中央金庫、石油資源開発、ウシオ電機、立花証券などからの出資を受けていました。
2006年6月5日、ファンド代表の村上世彰が、インサイダー取引の容疑で逮捕・起訴された(村上ファンド事件)影響で、ファンドからの資金の引き上げが起こり、ファンドは解散に追い込まれたとされています。
現在の運営会社と長女の絢氏とは
村上世彰氏は今年の8月、長女の村上絢氏が運営する投資会社(C&Iホールディングス)が東証1部に上場する大阪の電子部品商社「黒田電気」の株式を大量に取得し、村上元代表を社外取締役にするよう求めるなど、再び市場関係者の注目を集めていました。
このC&Iホールディングスとは、どのような投資会社なのでしょうか?
1986年、経営情報の提供とフランチャイズ加盟店開発事業を行う会社・株式会社ベンチャー・リンクとして創業。後に自らフランチャイジーとして外食・小売り等のブランドを育成するなどして経営を拡大。
しかし、2012年ベンチャーリンクが倒産後、村上世彰らが経営を引き継ぎ、C&I Holdingsとして村上家の資産のみを運用するプライベートファンド運用会社に業態転換していた。wikipedia.org
ベンチャーリンクとは、かつてチョコクロで有名な「サンマルク」や、中古車販売のガリバーインターナショナルのフランチャイズ化、外食・小売り等のブランドを育成するなどして経営を拡大してきた会社。
そのベンチャーリンクが、2012年3月に民事再生法の適用を申請した後、村上一族の資産を運用するプライベートファンドへと転換したというわけです。
長女の村上絢とは
1988年生まれ
慶應義塾大学卒業
モルガン・スタンレーMUFG証券入社
2015年6月よりC&Iホールディングス代表取締役CEOに就任
村上世彰氏の長女、村上絢さんはスイス留学、慶応大卒業、その後にモルガン・スタンレーに入社というまさに生粋のエリート育ち。
また日本への寄付文化を根付かせたいという父の意思を継ぎ、支援を必要としている非営利活動団体やプロジェクトをつないでいくプラットフォーム、「NPO法人チャリティ・プラットフォーム」の代表理事にも就任した方。
これからの活躍を期待されていた女性CEOでした。そのため、またもや村上ファンド事件の時のように、何も分からない視聴者に対し、マスコミが”投資は悪”、”金の亡者”というイメージを植え付ける風潮にならなければ良いのですが。
村上元代表は、自分の名義ではない複数の口座を使って株を大量に売却していた模様。名前を表に出さないことで、相場操縦への自身の関与を隠す狙いもあったとみられ、刑事告発も視野に調べる方針とのことです。
村上世彰氏が4日、「相場操縦をする意図も理由もなく、市場を混乱させたようなこともありません」とのコメントを公表。そのうえで、「空売りを先行させて、最終的には保有していた現物株と決済しただけだ。空売りという手法は株式市場で古くから一般的に使われる手法で、証券取引所も認めている。市場参加者を混乱させることはない」などと訴えました。