人生、一寸先は闇。誰しも突然の病に倒れたり、交通事故などの災難に遭ってけがをしたりして、働けなくなってしまう可能性はゼロではない。そういう事態に陥った際、死亡保障や医療保険はどこまで役に立つのだろうか。
働けなくなったとき、貰える手当をまず計算しよう
死亡保障はその名の通り、亡くなったときの保障に限られる。医療保険は、手術や入院をしたときの保障がほとんどだ。となれば、働けなくなったときの保障としては心もとないのが実情。
仮に、長期療養せざるを得なくなったとしても、治療費の方は高額療養費制度があるため、ある程一度の貯蓄があれば賄える。だが、休職や離職となってしまった場合には、収入の大幅減少に直面することは間違いない。
会社員や公務員が傷病で働けない状態になれば、傷病手当金が支給される。だが、標準報酬月額の3分の2にとどまる上、支給される期間は最長でも1年6カ月しかない。加えて、国民健康保険加入者にこの制度がないことは、頭に入れておきたい。
そして、国民年金や厚生年金の加入者が、障害認定日(原則として初診日から1年6カ月後)に法令で定められた障害に該当していれば、障害年金が支給される。
働けなくなったときに備えた保険が「就業不能保険」
とはいえ、その金額は健康時の収入に比べて大きく減ってしまうため、家族の生活に大きな支障を来すことは言うまでもない。そうした事態になってしまった場合に威力を発揮するのが、「就業不能保険」だ。近年、生命保険会社がこぞって商品開発にしのぎを削っている成長分野でもある。
「例えば、「あなたが働けなくなったら私たちはどうなるの?」というアフラックのテレビCMを見た方も多いだろう。まさに、この保険商品がそれだ。
画像説明 – アフラックCMをキッカケに再注目を浴びている(youtubeキャプチャより)
勤務先で格安で加入できるケースも
「もっとも、この分野の先駆者的な存在といえば損害保険会社だ。万が一働けなくなったときの所得を補償する保険として「所得補償保険」や、特約を付ければ精神疾患なども補償してくれる「団体長期障害所得補償保険(GLTD)」などを販売している。
これらは所属企業の団体割引で安く加入できることが多い上、生保の商品に比べて免責期間が短めなので、まずは勤めている企業にこうした保険がないか調べてみよう。その上で、生保の商品と見比べたい。
就業不能保険検討時、チェックすべき項目
これら就業不能保険でチェックすべきは、就業不能とはいったいどういう状態を指すのかという定義と給付要件、免責期間。加えて、精神疾患をカバーしているかどうかも確認しておきたい。
まず、生保としてこの分野に火を付けたライフネット生命保険の「働く人への保険2」。約2年前に商品を改定し、免責期間が180日のみだったところに8日タイプを投入したり、傷病手当が支給される期間(1年6カ月)の給付金額が半分になる、「ハーフタイプ」を新設して保険料を抑えている。
前述のテレビCMでおなじみのアフラック「給与サポート保険」は、給付の範囲が広いのに加え、支払い開始から6カ月間は職場に復帰しても給付金が支払われる。「チューリッヒ生命保険の「くらすプラス」は、終身医療保険の特約のため単品で加入はできないが、精神疾患をカバーしている点に特徴がある。
就業不能を収入保障保険に付加できるケースがお得
最近、就業不能保険の要素を兼ね備えることが多い「収入保障保険」。割安な保険料で、子育て中などお金が必要な世代ほど、大きな保障が得られる死亡保障だ。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険の「じぶんと家族のお守り」は。この4月から料率改定で保険料が下がったのに加え、「就労不能年金」やメンタル疾患と七大疾病を保障する「生活サポート年金」など特約の充実している。
次に、三井住友あいおい生命保一険の「&LIFE新総合収入保障」は、型によって異なるが、死亡や高度障害だけでなく、所定の特定障害や要介護状態、就業不能になった場合までカバーしているなど保障範囲が広いのが特徴。
収入保障保険にすでに加入している、収入保障保険を検討しているという方は、就業不能保険を付与できるか検討してみてはいかがでしょうか。