過去に死亡例も…エナジードリンク、アメリカでは小児の摂取を禁止する動きが拡大

コンビニエンスストアや自動販売機で気軽に手に入るエナジードリンク。日本では、お父さん御用達の栄養ドリンクが市民権を得ていたこともあり、あれよという間に広まった。

一方、欧米では販売を薬局に限定するほか、8歳未満の青少年に対する販売を禁止する法律や条例が施行されるなど、一定の制限を設ける動きが広がっている。


アメリカではエナジードリンクの小児の摂取を警告

今年3月にも、米国スポーツ医学会が公式声明として、小児の摂取に対し警告を発した。声明では、エナジードリンクに含まれる高用量のカフェインなどが睡眠障害、不安、心血管疾患のリスクになると指摘。子供を監督するトレーナー、コーチに対し、推奨事項を守るよう提案している。

主な推奨内容は、エナジードリンクは「子供や8歳未満の青少年向けの商品としない」「子供向けのマーケティングを行うべきではない」としている。

過去には「死亡例」の報告も

激しい運動中、またその前後にエナジードリンクを飲むべきではない。死亡例が報告されている。

エナジードリンクは水、清涼飲料水とは全く異なる飲み物で、無計画に飲み続けると深刻な副作用が生じる可能性がある。特に子どもに対しては、リスクについての教育が必要である。

アメリカにおいては、エナジードリンクは「サプリメント」に分類されており、カフェイン含有量の制限が緩い。

また、タウリンなど日本では医薬部外品扱いの成分が当たり前に使われ、相互作用による心拍数の増加や中枢神経系の過興奮リスクが指摘。

エナジードリンク=頑張ってるアピールの材料に

エナジードリンクメーカーの販促活動が功を奏してか、エナジードリンクは今や「努力している自分を暗に意味する」ツールとして、Twitterやインスタグラムなどでも投稿を目にすることも多い。

日本国内においては、エナジードリンクに対してポジティブなイメージを持つ人が多い現れであると言える。

日本のエナジードリンクは清涼飲料水扱い

日本のエナジードリンクは清涼飲料水扱いである。
エナジードリンクには、タウリンの代わりにアルギニンやガラナエキスが使われている。ただし一部の製品は天然タウリンを添加物として利用するなど、一概にリスクが低いとはいえないようだ。

発がん性、発育の観点から、カナダでは国が最大摂取量を公表

 会計基準はグローバルの視点が必要となっている
カナダ保健省「Caffeine in Food」より

保健省は12歳以下の子供に対するカフェインの1日最高推奨摂取量を2.5mg/kg 体重と定めた。これは平均体重から換算すると、4-6歳児でカフェイン45mg、7-9歳児で62.5mg、10-12歳児で85mgとなり、355ml(12oz)の缶コーラ1-2本分に相当する。

カナダ保健省(Health Canada)和訳

2006年2月、カナダ保健省は「カフェインの1日推奨最大摂取量に関するファクトシート」を公表し、12歳以下の子どもに対するカフェイン摂取量の目安を公表している。

例えば、12歳の少年なら、カフェイン入り炭酸飲料を飲んで良いのは多くてもコップに1、2杯程度だ。過剰摂取のリスクは避けたい。第一、子供時代からその場しのぎの疲労回復法を覚える必要はないはずである。

カナダが子どもに対するカフェイン摂取量を公表した背景にあるのは、「一般毒性、心臓血管系への影響、カルシウムバランスと骨への影響、行動への影響、発がん性」など、カフェインの副作用について長年に渡り研究が進められてきた結果であるとしている。

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