“資生堂ショック”とは?各社の報道内容まとめ【日経新聞、AERA、NHK「おはよう日本」】

9日、NHKの「おはよう日本」にて『資生堂ショック』の特集が紹介され、ネットで大きな反響を呼んでいます。資生堂ショックとは、株式会社資生堂の勤務制度改革に関するキーワードであり、こちらでは、日本経済新聞、AERA、NHKがそれぞれ報じている内容をまとめました。また、世間の反応についても紹介します。

日本経済新聞が資生堂の制度改革を紹介

shiseido.co.jp

14年春から1万人のBC(美容部員)を対象に育児中でも夜間までの遅番や土日勤務に入ってもらうという。20年以上前から育児休業や短時間勤務制度を導入し「女性に優しい会社」の評判を築いてきた資生堂。なぜここにきて厳しい態度に転じたのか。

日本経済新聞 6月29日

9日「NHKニュース おはよう日本」にて、”資生堂ショック”という現象が特集され、「資生堂ショック」というワードがネット上で一気に拡散されました。

“資生堂ショック”というキーワードを使っていませんが、資生堂の制度改革は日本経済新聞にて6月に報じられました。
記事の中では、「日本企業として最も早く女性が働きやすい環境を整備してきた会社が、次のステップに向かう決意をした」という内容で報じられています。

「忙しい夕方、同僚に感謝の言葉もなく帰るなど育児中の優遇が既得権益化し、摩擦が生まれた」

BC(美容部員)出身の執行役員常務、関根近子氏(61)は改革の理由を話しています。
そして、その背景としては以下の通り書かれています。

育児中で短時間勤務のBCは午後5時ごろ帰宅する。客でごった返す夕方から夜など繁忙時間は、若手やベテランが肩代わりしてきた。いつしかBCの時短勤務者は1200人に増え、「このままでは回らない」と通常勤務の社員から悲鳴が上がり始めた。充実したはずの制度が逆に士気後退につながる――。

つまり、短時間勤務者のシフトが終了した後に繁忙期を迎え、その時間を若手やベテランが肩代わりをしていた。しかし、いつしか時短勤務者の割合が増え続け、通常勤務の社員から悲鳴が上がるように。さらには、士気が後退、売上も減少したため制度改革に踏み切った、ということ。

資生堂としては、この状況を放置していては「繁忙期に対応しきれない⇒通常勤務者の士気が下がる⇒売上減⇒雇用減」というスパイラルに繋がる危険性から、苦渋の決断を強いられたという訳です。

制度を前向きに捉える美容部員も

改革から1年余り。子供を持ち都内の化粧品店で働く広嶋由紀子(40、写真右)は、土日や遅番にも意識的に入る。その方が周囲の協力が得やすいからだ。実家の協力を得て遅番に入るようになった百崎も「販売増に貢献できる」と前向きだ。

日本経済新聞の記事の中では、「”資生堂ショック”=”悪”」として紹介されていません。
短時間勤務者でも、可能な場合は繁忙期に出勤することで、販売増に貢献でき、周囲の協力が得やすいという事例も紹介。また、短時間勤務者でも管理職に登用するなど、企業が手探りの中で制度改革を進めている様子が書かれています。

「AERA」が”資生堂ショック”として紹介する

dot.asahi.com

会社にぶら下がって働ける時代は終わった――。働く女性たちに、それを実感させたのが、6月下旬に日本経済新聞の1面で連載された記事にあった資生堂の例だ。資生堂といえば、女性が多く働き、女性に優しい会社の代表格。その資生堂が「甘えをなくせ」と、美容部員たちの働き方改革に取り組んだ内容だった。まさに「資生堂ショック」だ。

AERA

『働く女性に「資生堂ショック」女性は保護の対象から戦力へ』
http://dot.asahi.com/aera/2015080400001.html

一方、日本経済新聞の記事をAERAにて別の視点から紹介。
趣旨としては、「資生堂の女性活躍推進は、働きやすさを確保する段階を既に終え、女性を戦力化させるステージに入っている。」というもの。

“資生堂ショック”というワードのインパクトが強く、ネットでも多くシェアされた記事となっています。


NHKも”資生堂ショック”を報道

11月9日、NHK「NHKニュース おはよう日本」にて”資生堂ショック”について紹介。
紹介された内容は、日経新聞の記事と同じく、内容は以下の通り。

・資生堂は子育て中の女性社員にも平等なシフトやノルマを与える制度にシフト
・「美容部員」1人当たりの営業ノルマを設定(1日18人接客)
・短時間勤務の美容部員は1万人中1100人と増加し、通常勤務者へ負担増に繋がった
・短時間勤務者の割合が多くなったことから、繁忙期に対応しきれず国内売上減となっている
・会社は、「夫や家族の協力を得られるか」聞き取り調査しながらシフトを決定している
・短時間勤務には、福利厚生として育児サービスや子育て支援サービスを充実させている
・短時間勤務でも管理職登用を促し、女性管理職比率を30%にする目標である

日本国内ではいち早く働く女性の就労環境を整えてきた資生堂。その資生堂の次のステップに注目が集まっているという特集でした。

一方、ネット上では資生堂に対する批判殺到

朝のニュース番組が流れた直後から、ネット上では大炎上。
「資生堂は買わない」という意見が多く見られました。

一部では一定の理解も

資生堂は上場会社である以上、国内売上が減少している原因にテコを入れなければならず、なんらかの制度改革は必要不可欠・・・。一方、労働者・消費者側からの言い分もごもっともな意見。これは難しい問題です。


すき家を運営するゼンショーがブラック企業として世間から大バッシングを浴び、全国の深夜営業が中止になったのが記憶に新しいところ。資生堂も消費者からの「大バッシング⇒ブランド価値の低下」に繋がる事態だけは避けたいはずなので、NHKの報道後の炎上をそのまま放置しておく訳にはいかないでしょう。
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