セクハラ認定のグレーゾーン具体例4つ&カンタンなリスク回避法

前回は、「パワハラ認定のグレーゾーン具体例4つ」に触れた。今回は、◯◯ハラスメントの代表格「セクハラ」についてのグレーゾーンについて紹介したい。

部下に女性のいる男性の方だけでなく、女性においても同姓に対してセクハラ認定される可能性があるので、要注意。


セクハラ判定の具体例

それでは、セクハラ認定されかねない、具体的なグレーゾーンを4つ、以下にピックアップ。

1.プライベートを根掘り葉掘り聞く

「もっと距離感を縮めたい」「もっと相手のことを知りたい」と考えてプライベートに関する質問をすること自体は悪いとは言い切れない。ただし、相手が異性で、その反応に気を配ることなく根掘り葉掘り聞くのはNG。
特に恋人や身体、年齢や休日の過ごし方に関する話題は、セクハラになりやすいので注意が必要だ。なお、同性間であってもセクハラになり得る。
嫌がっていないかよく顔色を見極める必要がある。

■グレーゾーンな行動&言動
・「結婚は考えていないの?」
・「まだ独身なの?」
・「夫婦仲はどう?」
・「どんな部屋に住んでいるの?」
・「よく行くお店はどこ?」

■改善ポイント
・プライベートな質問をする時は、相手の反応をよく見る
・相手が困っているようなら、謝ったうえでそれ以上聞かない

2.体への不必要な接触

「肩を叩く」「腕をつかむ」「頭をなでる」といった身体への接触は、最もセクハラになり得る行動。「肩についているほこりを取る」もやめた方がいい。

仕事で相手の体を触る必要は一切ない。「ちょっとしたスキンシップだよ」という言い訳は全く通用しないことを肝に銘じておこう。

■グレーゾーンな行動&言動
・頭をなでる/髪に触れる、肩を叩く
・肩をもむ、腕をつかむ、手を握る
・腰を触る/ハグするetc.

■改善ポイント
・体に触れる行為は「すべてNG」と考える

3.相手の評価を下げる下世話な噂話の流布

セクハラを気をつけなければならないのは、何も男性だけの話ではない。女性でも注意が必要だ。具体例には“下世話な噂話の流布”が挙げられる。
例えば、「あの子はうまく上に取り入っているらしいよ」「部長のお気に入りだから出世したのよ」といったアヤシイ噂話が対象となるが、これは女性間でされがちな会話。

「また聞きした噂話をしただけ」でも、噂話の当事者からすれば「嫌がらせ」になる。人の足を引っ張るような言動は、控えることにこしたことはない。

■グレーゾーンな行動&言動
・「社長とあの子は、前々から何か怪しいよね」
・「あの子はしょちゅう課長と一緒に出張に行っているよね」

■改善ポイント
・男女関係にかかわる噂話で盛り上がらない
・人の足を引っ張る言動はしない

ネット掲示板などにセクハラとなる悪評を書き込むのはもってのほかだ!
ネット掲示板などに悪評を書き込むのはもってのほかだ!

4.出張先で異性を酒につきあわせる

強要していなくても限りなくクロ
泊まりがけの出張は、同僚の目が届かない分、セクハラ行為が起「こりやすい。例えば、40代男性の課長が、20代女性の部下に対して「(ホテルの)部屋に戻って一杯やろうよ」と平気で誘ったりするのだ。自分の部屋に部下である異性を招く行為は、明らかにNG。居酒屋であっても、出張先で2人きりで飲むのは避けた方がいいだろう。

■グレーゾーンな行動&言動
・出張先で異性の部下を酒に誘う
・出張先でホテルの部屋に同僚を入れる

■改善ポイント
・「セクハラは特に出張先で起きやすい」と意識しておく

セクハラの根底にあるのは「男らしさ」「女らしさ」という固定概念

「女らしさ」や「男らしさ」の押もしつけは、差別的な言動につながりやすい。そこから生まれた嫌がらせやいじめを「ジェンダーハラスメント」と呼ぶ。セクハラをする人の根底にあるのが“性別役割分担意識”で、普段からよく性差を強く意識した発言には注意を払う必要がある。

性別役割分担意識を持たないよう、まずは、その昭和的な「男らしさ」「女らしさ」という固定概念を捨てることがセクハラ加害者となりうるリスクの予防策となる。

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