「クレジットカード全てIC型に ビザなど、20年までに」
東京オリンピックを控え、クレジットカード業界に大きな変動が起こります。この動きは、クレジットカード決済導入店舗にどのような影響をあたえるのか、また、導入店舗はどのような対応をとればいいのでしょうか。
東京オリンピックまでに、すべてのクレジットカードをIC化
「クレジットカード各社は、国内で発行されているすべてのクレジットカードを2020年までにICチップ付きに切り替える」という日経新聞の記事の内容を要約すると、
・国内で使われているクレジットカードは、磁気ストライプだけが搭載されたタイプが4割弱を占める
・クレジットカードの不正利用の被害が拡大傾向にある
・2012年に約70億円だった被害額が、2014年には100億円以上と35%増
・磁気ストライプ式はデータを読み取りやすいため、利用時に情報を盗まれる危険が高い
【対策】
・情報を暗号化でき不正の被害が起きにくい「ICチップ搭載カード」への切り替えが急務
・磁気ストライプだけのカードを今後5年間で廃止
・各社のIC化の進捗状況を年に一度点検する
・東京五輪が開かれる20年までに確実にIC化を実現する
業界団体の日本クレジット協会が、クレジットカードのIC化を全面的に進めるそうです。つまり、これからは磁気ストライプ式のクレジットカードは新たに発行されないということです。
「クレジットカードの全IC化」はクレジットカード決済導入店にとって大きなリスクが。
「クレジットカードの全IC化」が進めば、クレジットカードの不正利用が減り、消費者にとって喜ばしい限り。なんでもっと早くしてくれなかったんだ、と思ってしまいそうです。
しかし、消費者にとっても決していいことばかりではありません。
というのが、記事のこの部分。
まずビザが10月から不正被害があった場合の顧客への補償の方法を見直し、カード発行会社の負担だった補償費用を店側に負わせる仕組みを導入する。これに伴い店側がIC対応型の読み取り端末に切り替えることを期待している。
日本経済新聞
つまり、不正利用の被害については、今までカード発行会社が負担していたのですが、これからは「被害あったら店舗にも負担してもらいますから、気をつけてね」というもの。
ライアビリティシフトは加盟店にとって脅威になる
これを「ライアビリティシフト」というのですが、世界最大手のカード決済ネットワークVisaは10月から日本とアメリカで同時にスタートに踏み切ります。
また、アメリカン・エキスプレスも同じく10月にアメリカでライアビリティシフトを導入する予定。日本で導入される日も近いでしょう。
もちろんこれは、visaやアメックスだけではなく、
JCBも、加盟店に被害額の肩代わりを求める方式へ見直しを検討中。他のカード各社も追随する見通しで、日本でも不正被害の加盟店負担が標準になる可能性が高い。
日本経済新聞
JCBについても、「ライアビリティシフト」を導入する日は近いそうです。
となると、どういうことが起きるのでしょうか?
ライアビリティシフトにより不正利用の被害額を店舗が負担
「不正利用の被害額を店舗が負担する」ということは、クレジットカード決済を導入している店舗にとって大きなリスクがつきまといます。
ただでさえ、クレジットカードには決済手数料が発生していますが、さらに不正利用額の負担までとなると・・・。
お客様への多様な決済方法を提供する”1つのサービス”としてクレジットカード決済を導入している店舗にとっては大きな痛手。カードの決済端末を入れ替えれば良い話なのかもしれませんが、当然ながらタダでは入れ替えることはできません。
決済端末の入れ替えの必要性
従来どおりのカード決済端末を使えば、「決済手数料の負担」うえに、「不正利用の被害額の負担」となると、クレジットカード決済の導入店舗が減少するということも考えられそうです。
消費者にとっても、このままではクレジットカードが利用できて便利だった店舗が少なくなるかもしれません。
「クレジットカードの全IC化」のメリット・デメリット
ここで、クレジットカードの全IC化のメリット・デメリットをまとめます。
クレジットカード全IC化のメリット
・「ICチップ搭載カード」への切り替えにより、不正被害の減少する
・カード発行会社は不正利用の被害額の負担が大幅に減少する(2014年度は104億円)
・東京オリンピックで来日する外国人が安心してクレジットカード決済が利用できる(2020年までに全IC化)
クレジットカード全IC化のデメリット
・加盟店のPOS端末IC化の入れ替えによる加盟店の入れ替え経費増
・ライアビリティシフトにより、加盟店のリスク増
・クレジットカード導入店舗減により、消費者の利便性低下
以上のことが考えられます。
しかし、デメリットの部分は近年目覚ましい「金融×テクノロジー」の分野にて解決できる部分が多いのではないでしょうか。
iPadとSquare(スクエア)リーダー導入で解決できる
ここからは、「アパレル、美容室、飲食店などの店舗オーナーさん向け」に書いていきます。
もし、知り合いにPOS端末導入してる店舗のオーナーがいる方は是非この方法を教えてあげて下さい。知り合いにはいないけど、より多くの人に知ってもらったら「日本がもっと便利になる」と思われた方は是非シェアしてください。
加盟店が取るべき対応策
さて、「クレジットカード全IC化」により、カード決済端末導入済みの店舗にとって「大きなリスクを抱えることになる」と前述しました。
しかし、店舗のオーナーさんは何も気にすることはありません。
むしろ今までよりもっと良いシステムを導入できるチャンスだと思います。
たった一つだけ、最善の方法があります。これで、すべて解決できます。
それは「iPadとSquareの導入」です。
Square(スクエア)が加盟店の救世主となる
iPadはもちろんご存知のことと思います。
一方「Square(スクエア)」って一体なに?と思われる方に紹介します。
Square(スクエア)とは、簡単に言うとタブレットやスマートフォンをクレジットカード決済端末として使用することが出来るサービス。「Squareリーダー」という磁気ストライプを読み取るプラスチック製端末に通して、クレジットカードをスワイプして決済することが出来ます。
つまり、スマートフォンかタブレットが1台あればすぐにカード決済対応レジが用意できるわけです。
このSpuareというサービスは、アメリカでは、スターバックス、ブルーボトルコーヒーが導入しているほか、日本ではユニクロが導入したことで一気に有名になりました。
それでは、なぜこの「Square」を勧めるのか理由を3点紹介します。
理由その1:ICカード決済に対応する
「Square」を推奨する一番の理由がまずコレです。
2015年5月10日、Square株式会社のプレスリリースにて、ICクレジットカード決済に対応すると発表がありました。
すでにアメリカではサービス開始されており、日本では予約受付開始に向けて準備中。
visaが10月より「ライアビリティシフト」をスタートすると前述しましたが、そのタイミングに向けてリリースする予定でしょう。
店舗のオーナーの方は、クレジットカード決済端末を導入される時、もしくは現在のリース契約などで導入されている場合、どれくらいコストがかかっているのでしょうか?
購入なら10万円程度、リースなら月2000〜3000円程度費用かかられていることと思います。
当然ながら、今後、クレジットカード端末の入れ替えを検討しなければなりません。さらに、ICカード対応の決済端末の場合、当然ながら新型機のため、さらに高額になる可能性が考えられます。
一方、ICカード対応の「Square」の導入コストは日本ではまだ未定ですが、アメリカではたったの29ドル。推測ですが、日本でスタートするときの価格は、3,000円程度になるのではないでしょうか。
わずか、3,000円程度で最新のICクレジットカード対応決済端末を導入することが可能です。
②理由その2:Apple Payに対応する
2020年までに「クレジットカードを全IC化」ということは、当然ながら狙いは「東京オリンピック」で来日する外国人に対するセキュリティと決済サービス整備のためです。
そんな来日してくる外国人が5年後に当たり前のように利用しているのは、クレジットカードではなく、「Apple Pay」のような電子決済サービスに移り変わっている可能性が高いといえます。
そして、Squareは「Apple Pay」に対応したカードリーダーを今秋発売すると発表しています。
例えば、東京オリンピックで来日してくる外国人に向けて、飲食店や小売店などで、「ApplePayが利用できます」という看板を店の前に置いているだけで、集客力がアップするかもしれません。
Squareは、「Apple Pay」にまず対応開始しますが、同様の技術を用いたGoogleが提供する決済サービス「Android Pay」にも対応することは容易に予想できます。
従来どおりのクレジットカード決済端末ではこのような決済手段に対応していません。今後の拡張性を考えると、今のタイミングでSquareを導入するメリットは大きいでしょう。
②理由その3:痒いところまで手が届くサービスの数々
ここまで、2つの理由を挙げましたが、「使い勝手が悪い」「手数料が高い」「入金が遅い」こんな理由じゃ導入できないよ、というのが実際のところ。
しかし、「Square」は、そんな心配は一切いらない点を下記に記載します。
・決済手数料は3.25%
カードリーダーを利用したスワイプ決済で手数料は3.25%です。
※カード情報直接入力の手数料の場合、3.75%
クレジットカード手数料は5%程度はかかっている店舗のオーナーさんは多いのではないでしょうか?
・最短で翌営業日入金
Squareで取引された売上代金は、みずほ銀行もしくは、三井住友銀行の口座を登録されているのであれば、翌営業日に直接入金されます。その他の銀行の口座を登録されているお客様へは毎金曜日に直接入金されます。
・強固な不正利用検知システム
Square社はシリコンバレー発2009年に設立されたベンチャー企業。いわば、世界の頭脳を結集したテクノロジー集団。
日本のパートナーである「三井住友カード株式会社」の戦略事業部長も、「安心感は、徹底した技術の裏付けがある」と舌を巻きます。
Square社のオフィスで、同社スタッフが100台ぐらいものモニターを見ながら利用実態をリアルタイムにチェックし、不正使用監視やパターンを分析している。具体的には、「どのお店で何の決済がどのくらいの頻度で発生しているか、リアルタイムに視覚的に管理・分析しているそうです。
参照:ascii.jp
・会計システムと連動、会計ソフトへの入力作業をほぼゼロに
店舗のレジをSquareに変え、会計ソフトを「freee」というクラウド会計ソフトに変更すれば、毎日の売上集計と会計ソフトへの入力にかかる作業時間をほぼゼロに短縮することも可能です。
1日の営業が終了してから、「レシートと電卓を片手に入力作業を黙々する」なんてことから開放されます。
・多彩な周辺機器もサポート
当然ながら、Squareを使いだせば現金管理をゼロに出来るなんてことはありませんね。
最初は、今ご使用されているレジと併用して使われるのがベストですが、他店舗展開される場合、今までのレジはもう必要ありません。
iPadのようなタブレットと「レシートプリンター」や「キャッシュドロワー」を無線で接続すれば、低コストでレジを構築できます。
導入コストはいくらになるか
最後に気になる導入コストです。
ICカード対応Squareリーダーは¥4,980(税込)ですが、端末費用還元キャンペーン適用で実質0円になります。
さらにここにタブレットが必須になりますが、「iPad Air2 wifiモデル16GB」の場合、53,800 (税別)。
特に最新モデルを選ぶ必要はないので、1つ前のモデルであれば、約30,000円で手に入ります。
また、Android端末でももちろん問題はありません。Androidタブレットであれば、20,000円程度で購入できます。
20,000円でIC化が可能。月額不要。
一番安いパターンで計算します。
これから、「クレジットカード全IC化」に対応するために、店舗のカード決済端末をICカード対応機器に入れ替える場合。
ICカード対応Squareリーダー実質0円+ Androidタブレット(NEXUS7) 20,000円 = 20,000円
20,000円あれば、店舗の決済端末をICクレジットカード対応が可能です。
価格だけではない「付加価値」は前述したとおりです。
従来どおりのクレジットカード決済端末を「ICカード対応の最新機種」に入れ替えた場合、最低でも10万円はかかるでしょう。
慣れないものは使えない!とか言ってる場合じゃない
もちろん、タブレットなどの操作は慣れない方にしたら、「使いにくそう」「従来どおり使えなさそう」と思われるかも知れません。
しかし、「経費を安くできる」「業務を効率化できる」手段があるのに見逃すわけにはいきません。
新しいものを導入するのは少し汗をかくかもしれませんが、メリット・デメリットをよく検討されてみてはいかがでしょうか。
Square社よりICカード対応リーダーの最新情報をご希望の場合はSquare公式ウェブサイトへアクセスしご確認ください。
ICカード対応Squareリーダーの予約が開始されました。料金設定についても更新されているので、Squareのウェブサイトにてご確認ください。