ソーシャルレンディング事業者ランキング&貸倒れでも利益を出すためには?

年利7、8%は利回りは見込める!という触れ込みで利用者が急増している「ソーシャルレンディング」。ソーシャルレンディングとは、簡単にいえば、「個人が企業へ事業資金を貸し付け、利子を受け取る」そんな取引を可能にしたサービス。

ここ数年でソーシャルレンディング運営事業者が増加、2017年の市場規模は前年比2・5倍の1316億円に膨らんでいる。

ソーシャルレンディングに興味のある方、参加しようか検討している方について、その仕組と、累計応募額ランキングなどを紹介し、判断材料となる情報を提供したい。


ソーシャルレンディングの仕組み

個人投資家がソーシャルレンディング事業者の提示する投資案件を選び、事業者は案件の借り手に融資する。実際に出資を募集する会社と融資業務を行う会社は別だが、同一のグループ会社である場合が多い。

個人投資家は1口数万円からの少額で投資でき、手数料を差し引いた平均利回りは年7~8%とされる。融資期間は平均1年弱である。

借り手の多くは、不動産&太陽光発電系

借り手は国内の不動産事業者や太陽光発電開発事業者などが多い。ソーシャルレンディングで調達する企業は銀行の融資基準に達していないことが多く、利回りの高さはその裏返しともいえる。

銀行の預金業務や証券会社による投資信託の運用・販売業務に比べ、中間にいる事業者の運営コストは低いことも高利回りの理由の要因である。しかし貸し倒れリスクは自分が負うので、銀行預金と同じ感覚で利用すると痛い目に遭う可能性もある。

ソーシャルレンディング事業者ランキング

実際に利用を始める場合、事業者選びが肝心になる。というのも、集めた資金管理がずさんな事業者が少なからず存在しているからである。以下に「累計応募額」のランキングをまとめている。

1位.maneo

トップは「maneo(マネオ)」だ。2008年にサービスを開始したソーシャルレンディング事業において国内最大手の老舗。累計応募額は1103億円(2018年3月時点)と、業界で唯一1000億を超える応募を集めている。

maneoは、GMOフィナンシャルホールディングスと資本業務提携を結んでおり、ユーザーはGMOクリック証券経由で投資ができるのも魅力的である。

 mineoホームページ
mineoホームページ – maneo.jp

2位.SBIソーシャルレンディング

2位はSBIグループの100%子会社である、SBIソーシャルレンディング。ネット証券最大手SBIグループということもあり、急速に応募数を伸ばしている。累計応募額は478億円((2018年3月時点))。

不動産担保ローン事業者や太陽光発電事業者、バイオマス発電事業者などの案件を取りそろえている。

 SBIソーシャルレンディングHP
SBIソーシャルレンディングHP – sbi-sociallending.jp

3位.クラウドバンク

3位は、日本クラウド証券が運営する「クラウドバンク」
業界3位の規模ながら、“やんちゃな”事業運営が度々問題となっており、15年7月と17年6月の二度にわたり関東財務局から行政処分を受けている。

一度目は顧客から預かった資金の分別管理を適切に行っていなかったなどのためで、二度目は不動産開発事業に対する融資などにおいて、投資家に誤認させるような広告表示を行っていた。

その他、ソーシャルレンディング事業者には、行政処分を受けている企業が存在するので以下に紹介する。

事業者が未熟な運営、行政処分が多発

業界5位のラッキーバンクは2年3月、貸付先と担保物件の表示に関して投資家に誤解を生じさせる行為により、行政処分を受けた。投資家に対し法人向けローンが出資対象であるとして勧誘を行いながら、実際の貸付先は同社社長の親族が経営する不動産会社になっていた。

より悪質なのが、業界10位のみんなのクレジット。同社は関東財務局から7年3月に行政処分を受けたのだが、不動産ローンファンドや中小企業支援ローンファンドなどと称する案件の勧誘を行いながら、実際の貸付先は同社の親会社およびその関係会社だったというヤバさ。
問題はこれだけではなく、社長がファンド出資金を自身の借り入れ返済に使用していたりと問題が頻発し、17年3月8日から4月8日までの業務停止命令と、業務改善命令を受けた。

事業者の未熟さが目立つ新しい業界であるため、投資案件だけでなく、ソーシャルレンディング事業者への登録についても複数社選択することを推奨したい。

ソーシャルレンディングを始めるなら、分散投資がオススメ

先述の通り、ソーシャルレンディングで資金調達する企業は銀行の融資基準に達していない。つまり、金融機関がバランスシートを見た上で“安全ではない”と判断される会社が多い。高利回りの裏返しに、投資案件が貸し倒れるリスクがつきまとう。当然ながら、貸倒れリスクは自分が負うので、国債や安定企業の債券などと同じ感覚で利用するべきではない。

そこで、オススメの投資法は、「分散投資」。リスク回避の方法としては言わずもがな鉄板手法であるが、貸倒れをリスクがつきまとう高利回りのソーシャルレンディングだからこそ、徹底したい。

リスク回避のために、大手ソーシャルレンディング事情者に復数登録した上で、復数のソーシャルレンディング案件を選択。計算上、多少の貸倒れを見込んでも“もとが取れる”ように分散投資を推奨したい。

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