二月の勝者95話「十一月の忍耐」のネタバレ(単行本11巻収録)
ビッグコミックスピリッツ連載「二月の勝者」とは
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2020年の大学受験改革を目前に、激変する中学受験界に現れたのは生徒を第一志望校に絶対合格させる最強最悪の塾講師・黒木蔵人!
受験の神様か、拝金の悪魔か? 早期受験が一般化する昨今、もっとも熱い中学受験の隠された裏側、合格への戦略を圧倒的なリアリティーでえぐりだす衝撃の問題作!
前回94話のポイント
・柴田まるみが不登校になった原因
・黒木「子供の足元の小石をいつまで親がどけるつもりですか?」
前回のネタバレについて詳しく!
二月の勝者95話のネタバレまとめ
親は待つことにエキスパートたれ
前回、まるみの不登校となった経緯を聞きながらも、いつまで目の前に小石をどけていくつもりか尋ねた黒木。
その真意としては、親の最も大事な仕事は「待つこと」だと断言する。
その言葉に、でも、今でなくても、今後いつでも待つことはできるじゃないかと反論するまるみ母。
それに対し、では「その次はいつ?」と尋ねる黒木。
小学校の間は小石をどけながら伴走するけど中学校、高校になったらやめる?18から?20から?と畳み掛ける。
なぜなら、その都度、足元には別の石が転がってるからである。
黙り込むまるみの母。でも、小石を退けなくなるのは、今ではないとしか言えないようだ。
そして、最後に黒木から。
「中学受験塾講師として、断言します。」
「待つことこそがこの時期の親の、いちばん大事な仕事だ」と言い残す。
まるみと樹里、友情の弁当交換
冷凍食品である pic.twitter.com/br6SYLyE8I
— What a News (@whatanews_jp) February 14, 2021
桜花ゼミΩクラスの弁当タイムにて、まるみは女子学院は諦めろと母親に言われていることを樹里に話す。
落ち込むまるみ。それを見た樹里は心を痛める。
そこで、樹里は自分の大好物であるカニクリームコロッケ(冷凍食品)をまるみにプレゼントする。元気を出してほしいから、美味しいものを食べたら元気出るかなと思ってと。
喜んで元気を出すまるみ。お返しに樹里にお母さん特製の唐揚げをプレゼントする。
この唐揚げが後に、大きな意味をなす。
みんなで食べる弁当タイムはまるみの宝物
その後、塾から一緒に帰るまるみと母。
喧嘩した翌日ということもあり、二人に沈黙の時間が流れる。
母親は再度、まるみにJGを諦めてもらうために、説得をしようと考えるも声をかけられないでいた。
そんなとき、まるみが弁当のことを話し出す。
「ママの唐揚げ、すんごい美味しいって言われたよ」と。
それから、塾での弁当時間のことを楽しそうに話すまるみ。そのまま家路についた。
塾の友達がまるみを変えた
夜になって、まるみの母は、旦那に今日の出来事(唐揚げ交換のことも)を報告。
それを聞いて父親は、
「学校のお昼は何食べたか覚えてないのに、その友達と食べたご飯は覚えているんだろ?それってすごくいいことじゃないのかな」と感想を漏らす。
まるみは、学校でいつも一人きりで保健室で弁当を食べており、母親が作ってくれる同じ弁当でも、何が入っていたのかなんて、何も覚えていないという。
一方、塾で樹里や、花恋と食べる弁当のことは鮮明に覚えており、まるみにとってとても大切な時間であることを母は認識する。
「先生の言う通り、私達も待ってみてもいいのかもしれないよ」と語る旦那。しかし、それでは余計に友達が受かって、まるみが落ちたときに傷つくのは娘だという様子で動揺する。
母の出す結論は…次回に続く。
第96話(次回)のネタバレはこちら
95話の考察・感想
親が子どものチャレンジを後ろから見守ることができるか
親心があるからこそ、子どもがチャレンジする姿が心配になってしまう。チャレンジに失敗して大怪我したらどうしよう、再起不能なほどの精神的なダメージを受けたらどうしよう。親としては当然の精神状態である。
しかし、だからこそ黒木は「待つことこそが仕事だ」と言ったのだろう。仕事は簡単ではない、結果を出すには一定の忍耐力がいる。口出しするほうが親としての精神状態としては楽になることは間違いない。
だからこそ、待つのが難しい。
でもその行為が最も子どもが自立する手助けになるのだろう。