二月の勝者85話「十一月の一歩」のネタバレ(単行本10巻収録)
ビッグコミックスピリッツ連載「二月の勝者」とは
週刊ビッグコミックスピリッツ©小学館
2020年の大学受験改革を目前に、激変する中学受験界に現れたのは生徒を第一志望校に絶対合格させる最強最悪の塾講師・黒木蔵人!
受験の神様か、拝金の悪魔か? 早期受験が一般化する昨今、もっとも熱い中学受験の隠された裏側、合格への戦略を圧倒的なリアリティーでえぐりだす衝撃の問題作!
前回84話のポイント
・海斗は父の母校・東央中学を受験か
・海斗が母に見せた反抗
・師匠の上杉くんと合格祈願へ
・海斗の第一志望は開成だったことが判明
前回のネタバレについて詳しく!
二月の勝者85話のネタバレまとめ
帝都圏模試でRクラス苦戦
11月中旬、帝都圏模試の結果速報がWEB上にアップされるとして、パソコンの前で緊張を高める佐倉。それもそのはず、Rクラスの生徒の大半が帝都圏模試を受験しており、本番まで約2ヶ月。この時期の模試が生徒の方向性を決定するのである。
しかし、WEB上に映し出された結果には、Rクラスで誰一人ともA判定はなかった。
そして、速報直後から、塾へ鳴り響く電話…。
模試の結果を見て、不安に駆られた保護者達からの相談電話である。
模試の結果を受けて、保護者から志望校辞退連絡
多くの電話が鳴る中、佐倉が受けた一本の電話は山本佳苗の母からであった。
山本佳苗というと、学校見学をキッカケに、鈴蘭女子を志望校に絞った生徒。その母親が「志望校を変更したい」と申し出てきた。
翌日にアポイントを取り付ける佐倉。電話の後に、改めてWEBで模試の結果を確認すると、第一志望の鈴蘭女子はB判定。悪くはない結果である。
B判定に対して、不安に駆られる保護者に対して疑問に持ちながらも、同じように不安を感じている保護者が他にも多くいるだろう、と推測する佐倉。
そこに、黒木がある言葉を語りかける。
佐倉先生がRクラスを託される
「Rクラスをあなたに託します」黒木から驚きの言葉が、佐倉にかけられる。
黒木はRクラスではなく、桜花ゼミナールのΩクラスやAクラスだけでなく、本部の志望校別クラスも受け持っている。だから、手一杯というのだ。
「あなたがRクラスを合格に導いてください」
その言葉に、佐倉は気合を入れるも、具体的に何から手を付けていいのかわからない。
そんな様子に、「今回はA判定が取れなくてよかったですね」と、去り際に言葉を漏らす黒木。佐倉はその言葉に違和感を覚えながらも、なにかのヒントではないかと考えるのであった。
鈴蘭女子の過去の合格者の情報を調べあげる佐倉。すると、過去に桜花ゼミナールの生徒が7人合格しているが、6人は11月の模試でA判定が取れていなかったことがわかる。
さらに、弱点を見極めるために、山本佳苗の模試の解答を分析する。すると、ある傾向を発見したのであった。
山本佳苗の辞退を食い止めろ
山本佳苗・母との個人面談に佐倉。
一度も鈴蘭女子の偏差値に届いていないことから、志望校を1ランク下げて、カトレア女子に変更したいと山本佳苗・母が申し出る。それに対して、「志望校を諦める必要はない」と反論する佐倉。
今後は一切、偏差値や合否判定を気にしなくていいと言い張る佐倉。その真意は?
というシーンで85話は終了する。
第86話(次回)のネタバレはこちら
85話の考察・感想
部下に気づきを与えて伸ばす上司・黒木蔵人
山本佳苗の鈴蘭女子辞退を食い止めるために、奔走する佐倉麻衣に対して、黒木は手取り足取りどのように対処するか教えない。
一見すると、“冷たい上司”と映るかもしれないが、それ違う。人は自分で気づき、やる気にならないと伸びないことを黒木は知っている。だから教えない。
「今回はA判定が取れなくてよかったですね」とさりげないヒントを与え、そこから佐倉は何かを気づいたように、合格者のデータを調べ上げ、答えに辿りついた。
勉強に対しても、部下へ仕事の指導についても、根本は共通にしているのかもしれない。