二月の勝者86話のネタバレ考察|山本佳苗は合格できる、佐倉に託された大役

二月の勝者86話「十一月の漸進」(漫画単行本10巻収録)のネタバレ考察。山本佳苗の母親が第一志望を辞退したいと申し出てきた。佐倉は初めて一人で個人面談に向かう。そこで、合格を勝ち取るための秘策があると保護者に伝える。その内容とは…

二月の勝者86話「十一月の漸進」のネタバレ(単行本10巻収録)

ビッグコミックスピリッツ連載「二月の勝者」とは

2月の勝者第1巻の表紙

週刊ビッグコミックスピリッツ©小学館

2020年の大学受験改革を目前に、激変する中学受験界に現れたのは生徒を第一志望校に絶対合格させる最強最悪の塾講師・黒木蔵人!
受験の神様か、拝金の悪魔か? 早期受験が一般化する昨今、もっとも熱い中学受験の隠された裏側、合格への戦略を圧倒的なリアリティーでえぐりだす衝撃の問題作!

前回85話のポイント

・帝都圏模試でRクラス苦戦
・模試の結果を受けて、保護者から志望校辞退連絡
・佐倉先生がRクラスを託される
・山本佳苗の辞退を食い止めろ

前回のネタバレについて詳しく!

二月の勝者86話のネタバレまとめ

模試で合否が決まるわけではない

86話では、前回の続きから話が始まる。
佐倉先生と山本佳苗の母の個人面談の場。佐倉から、「模試で合否が決まるわけでないから諦めなくていい」と主張する。

というのも、帝都圏模試は基礎中心の問題ながら、模試であるため、全範囲からまんべんなく出題される。しかし、鈴蘭女子中の入試問題の傾向では、全範囲から出題されるのではなく、事前対策でカバーできる傾向があるという。

「基礎固めを実直に続ければ、必ず合格が見えてくる」と母親を説得する佐倉。しかし、母からは娘に「もっと頑張れ」とは言えないと涙ながらに反論する。

親のほうが先に音を上げる

山本佳苗はこれまでに3回過去問にチャレンジしたが、3回とも合格最低点をクリアすることができず、自宅で泣きながら悔しさを爆発させていると母は言う。

その様子を見て、母親は「泣いているあの子を見ているのも、もう限界です」と胸の内を明かす。努力しても実らない、そんな思いをさせたくない、親心としては、これからの将来でずっと悔しい経験を背負って生きていく人生にさせたくないと。

まさに、「親のほうが先に音を上げる」と佐倉は実感する。

たった10点を越える秘策

しかし、佐倉はここで黙ってはいない。なぜなら、鈴蘭女子の過去のデータと対策を個人面談までに準備してきたからだ。

その根拠として山本佳苗が、合格ラインまであと10点というところまで来ているから。たった10点だったらなんとかできる。
というのも、鈴蘭女子は受験前に出題傾向のヒントを出す学校だからだ。
これは鈴蘭女子の文化祭時に開かれた入試説明会でのこと。確かに学校の担当者が、「12月以降の説明会で出題傾向のヒントを出す」と明言していた。

それを思いだし、「ハッ」と我に変える山本佳苗の母。
さらに、佐倉は畳み掛ける。過去に鈴蘭女子を受験した桜花ゼミナールの生徒の7人中6人が合格していること。不合格になった一人は、1番倍率の高かった最終日・1回のみの受験であったこと。一方合格した生徒は、複数回受験して合格を勝ち取ったことを。

第一志望者が合格できる制度

鈴蘭女子はそれだけでない、第一志望の受験者を優遇する制度を持っている。
「補欠が二回になった場合は正規合格になる」という制度だ。

現在の山本佳苗の学力、過去のデータ、学校の制度、どれをとっても、合格がほぼ確実に目の前にあるという合理的な証拠を突きつけられた山本佳苗の母。第一志望を諦めずに、チャレンジすることを佐倉と誓う。

「勝ち」から逃げない

見事に山本佳苗を第一志望の鈴蘭女子へチャレンジさせることに成功した佐倉。
ここで、空手の先生時代に子どもを勝たせてやれなかったシーンの回想に入る。あのときから私は「勝ち」という言葉から逃げていた。そう反省する。

ちゃんと向き合おう。今度こそ、勝たせるんだ。悔いのないように全力でサポートしよう。心に誓い、次回に続く。

第87話(次回)のネタバレはこちら

86話の考察・感想

感情的になる親を冷静な第三者としてサポートできるか

見事に山本佳苗の母を説得することに成功した佐倉麻衣先生。
成功のポイントは、過去のデータと事実を元に、保護者に対して紳士になれたことにある。山本佳苗の母は、娘につらい思いをさせたくない、という一心から感情的になり、合否を分けるポイントを見落としていた。
例えば、「12月以降の説明会で出題傾向のヒントを出す」「複数回受験者が有利」ということだ。山本佳苗の母は、そんな重要なポイントを佐倉先生の言葉によって気付かされた。

どうしても感情的になってしまう保護者を、第三者の立場から、冷静にサポートしてくれる存在が大きいのは間違いないだろう。


タイトルとURLをコピーしました