二月の勝者105話のネタバレ
前回までのあらすじ
島津順のおばさん、学費は私に任せなさい!
上杉海斗くん、第一志望をついに打ち明ける
第105話『十一月の本懐』
上杉海斗くん、開成受験を母親に打ち明ける
104話では、志望校について話したいことがあると伝えていた上杉海斗くん。
105話にて、ついに母親に対して「開成を受験したいんだ」と伝える。
母はまじめに考えているの?何を言っているの?と宥めながらも、驚きを隠せない。
なぜなら、上杉海斗はフェニックス中学受験勉強をスタートさせたものの、授業についていけず、桜花ゼミナールに転塾。これまで決して、“受験に向いている”と親ながらに息子のことを優秀だと見てはいなかったからである。
お前には「向いていない」と伝える母親
「テッペンをチャレンジしてみたいんだ!」
と、双子の兄弟・上杉陸斗や親友の島津順のように、最難関の御三家にチャレンジしたい、頑張りたいと退かない海斗。
そんな息子に向かって、
「最上位校を目指すってことは、勉強に向いている子がすることなの」「勉強には向き、不向きがあるの」と、ボソッこぼしてしまう母。
つまり、上杉海斗には勉強が向いていない、お前にはチャレンジする能力がない ことを伝えてしまう。
それに対して、上杉海斗くんは反発。
「いつまで“向いている”ことをママが決めるの!?」と反論する。
そうやって、無意識のうちに、母は子どもたちの向き不向きを決めてしまう。
陸斗はフェニックスで最初に点数が良かったから「勉強が向いている」、海斗は運動神経が良いから「勉強じゃなくて、スポーツが向いている」と。
上杉海斗くん、空手で関東大会優勝していた
母親が海斗には、スポーツが向いていると路線を決めてしまったキッカケは、空手で関東大会を優勝したことにある。
実はその大会の決勝戦の相手は、兄弟の上杉陸斗だったことが105話で明らかになっている。
兄弟で決勝戦を戦い、弟・海斗が優勝。
そのときに、母親は海斗は運動ができるから、それが向いていると決定。
陸斗に対してはその結果を受けて、母親は空手を本人の意志に関わらず辞めさせ、受験の道に先に進ませた。
そこで陸斗がフェニックスで高得点をとったことを受け、「陸斗には勉強が向いている」と判断。
兄弟が争うことのない、それぞれの向き・不向きをそこで決定していた。
そんな母親のこれまでの判断に憤る海斗。自分には向いていない、勉強はほどほどでいいと勝手に決めつけられてしまっている。
「僕はただ、最初からできないって決めつけてほしくないだけなんだ!」
以前にも言ったコトバを繰り返し絞りだす海斗だった。
次の模試で合格可能性40%以下なら、諦めなさい
そんな息子の本気の表情に折れた母親。
「次の模試で合格可能性40%以下なら、諦めること」と条件を出す。
それに、「ありがとう。頑張るよ。」と嬉しい表情を見せる海斗。
母親はこれまで、息子たちの向き・不向きによって、自分で道を作ってあげることで才能を伸ばしてきていたと信じていた。
しかし、その決断は今まで間違っていたのか?と自信に問いただす。
だからといって、「開成を受験させることは海斗にとって本当に良いことなのか」
悩む、母親の姿が描かれている。
兄弟で御三家・あのときの勝負に燃える二人
上杉陸斗は、母親と海斗の会話を、陰ながら聞いていた。
リビングで母との話し合いが終わり、海斗が部屋に戻ろうとすると、陸斗が隠れて聞いていたことに気づく。
「中学受験があの試合の続きだと思ってる!」
空手の決勝戦で負けた陸斗は、受験で海斗との試合の続きがやり直せると燃える。
さらに、
「受験は二人同時に勝てるかもしれない。勝ってやろうぜ、俺たちふたりとも!」
と、自分だけ合格するのではなく、一緒に合格したいという気持ちを伝える。
あのとき、負けたから、次は俺だけ勝つ。ではない。
二人で勝つ。
上杉海斗くんの受験に対するスイッチがまた一つ入った回であった。
次回に続く。
二月の勝者105話の考察・感想
上杉海斗くん、合格フラグしかない
ししょー島津順くんとの友情コンビだけでなく、兄弟の上杉陸斗とも合格を誓う海斗くん。
これまで第一志望だった「東央中学」は余裕で合格するのは間違いなし。
さらに、開成合格フラグ立ちまくりの回。
フェニックスの灰谷先生にも、「海斗は無理だろう」と思われていることから、大どんでん返しに使われるキャラであるのは間違いなさそう。
開成ほんとうに合格しちゃうのかも。
母の気持ちもわからないことはない
息子たちの向き不向きによって、将来性を決定してきた母親。
あれほど勉強についてはダメだった上杉海斗くんが、成績を急上昇させ、医者の旦那と同じ中学に進学できるレベルにまで達することができたのはとても嬉しかったはずだ。
つまり、それだけで母親としてはもう満足。高望みはしない、というより、それなりのところで失敗せずに息子が進学してくれた方が、後々レベルについていけないという心配が少なくなるのは間違いない。
そのため、落ちこぼれていた息子が急に「開成を受験したい!」という申し出に対して、はいわかったと二つ返事はできないのは当然。
開成を受験することにより、これまで第一志望だった中学も合格する可能性が低くなるのは事実。
ただ、息子の意志に反して、なんでも母親が決めてしまうのは、結果として大人になったときに歪みを作ってしまう危険すらある。
親としてはこれまで合理的な判断だったかもしれないが、子供の可能性を伸ばすという点において、これが難しいところ。
二月の勝者の作中では、クロッキーが開成受験を勧めているので、結果としてはいい経験になるのは間違いないですが。