2月の勝者161話のネタバレ考察ですが、黒木が長らく懸念していた今川理衣沙を救う回。ようやく、母親が個人面談にやってくる。「説得してみせます」と意気込む黒木だったが、過去最強クラスの手強さの理衣沙・母の心は動かせたのか…??そして、理衣沙・母が自宅に帰ると、涙ながらに嘆願する娘が…
二月の勝者161話のネタバレ
今日発売のスピリッツに載ってる「二月〜」理衣沙回、「決められたページでは足りないぜ」って思って描いてたので、たぶん単行本で大幅加筆するかもしれない(19巻収録予定)(次が18巻だからまだ先だけど)
— 高瀬志帆@「二月の勝者」17集発売中 (@hoshi1221) April 9, 2023
前回までのあらすじ
- 2月3日 合格発表一覧
- 前田花恋に再び火がつく
- 合格できない原秀道と今川理衣沙
- ついに、理衣沙・母が聞く耳を持つ準備ができる
第161話『二月の説得』
娘が信頼を寄せる講師の名前を知りもしない母
~場面は桜花ゼミナール~
今川理衣沙・母がついにやってくる…
黒木「説得してみせます」と意気込んでいた。
そして、今川理衣沙・母が到着。
「なんか、今日、応援に来た女性の先生に来てくださいって…言われたから。」
荒れている家庭の状況は隠し、あくまで桂に言われたから、と言い張った。
そして、娘が信頼を寄せる先生の名前すら覚えていない始末…。
親子関係がこれまでの結果を物語っていたのだった。
今川理衣沙・母、限界を迎えていた
理衣沙が、「もう受験したくない」って、言い出しちゃって…
面談がスタートした。
黒木と担任の佐倉が同席している。
理衣沙・母は娘が心を閉ざしてしまっている状況を打ち明けた。
一方、プライドは高く、黒木が差し出した「偏差値一覧表」を指差し、
「偏差値でいうと、このへんの学校に行くくらいなら、地元の公立中に行ったほうがマシ…」
と漏らした。
カトレア女子などの学校は、偏差値40後半あたりだ。
しかし、母の心は限界を迎えていた。
「理衣沙が不合格になるたびに、泣くんです。」
「私から見えないように、隠れて。トイレとか…声が聞こえて。目も真っ赤に腫れているし…」
「それで、私、ちょっと…びっくりすくらい、しんどくて、ですね…」
「どうすれば、いいでしょうか…」
周囲への見栄やプライドを押し殺し、黒木に助けを求めた。
これは意外だった。
強がっていた母は、やはり娘のことが何よりも心配だったのだった。
「偏差値40台でもお得」黒木の合理的な説得
母の揺らぐ心に対し、黒木は合理的な説得を始めた。
「仮に、この地域の偏差値50前半の都立高校で見てみますと…」
「進学実績が、早慶上理ICUで2~3名、GMARCHが10名前後…」
黒木は話し始めた。
いかに中学から私立に進学することが合理的に優位なのかということ。
「一方、現在の理衣沙さんの実力で合格圏内にある学校を数校挙げてみますと…」
黒木は偏差値40台の女子校を挙げていく。
どれも、高校時点での偏差値は50台の合格実績と変わらない。
あと、この学校名も…
「そして、聖カサブランカ女子。偏差値44。早慶上理ICUで2名、GMARCHが12名。」
母の心は動きつつあった。
そして、黒木が畳み掛ける…。
先ほど挙げたキリスト教系の伝統校は、上智、ICU、青学、立教などのキリスト教系の名門大学に多くの推薦枠を持っていること、
そのような情報も知らない人たちに好き勝手言われようが、知られていないからこそ、理衣沙がリードできるということを。
「進学するかどうかはまず置いて、とりあえずは合格をしっかりと取り…」
黒木は最後の落としにかかった。
「もし、進学せずに公立校に進んだとしても…うちの娘は、私立で合格をもらったが”あえて”公立中に来た。と言えばいいです。」
決まった….
と思われた空気が流れたが、
「まだ踏ん切りがつかないので、出願締切までの2時間くらい、ギリギリまで考えます…」
そういって、理衣沙・母は席を立った。
去り際に佐倉が担任として、居ても立っても居られなくなり、嘆願した。
「私、この一年、理衣沙さんを見てきて、ひとつ強く言いたいのは..」
「本当に、本当によく頑張りました!だから、理衣沙さんの合格の笑顔、見たいです!よろしくお願いします!!」
「ママ、怒らないで、聞いてほしい…」理衣沙、涙の願い。
「方針を決めたら連絡します」と言い残し、桜花を去った理衣沙・母。
「正直、過去最強クラスの手強さでした。」
黒木も手を焼く次元の我の強さだった。
ただ、本当は気持ちは決まっていたはずと黒木は漏らした。
~場面は変わって、今川理衣沙宅~
母はこれまでの受験生活を振り返りながら、疲れた様子で自宅に到着するなり…
「ただいま。理衣沙、ちょっと話が…」
リビング向かって歩いた先のドアを開けると、なんと娘が涙ながらに立っていた。
「ママ…怒らないで、聞いてほしい…」
理衣沙が意を決し、何かを伝えようとしている。
そして、その言葉に母は言葉を失った。
「わたし…聖カサブランカを受験したいです..受けさせて…ください、お願い…」
理衣沙・母の目から大粒の涙が流れ落ちた。
そして、母はお願いをする理衣沙を振り切って、走り出した。
理衣沙は「ママ…!」と行く先を止めようとするが、母の目的は違った。
「理衣沙!時間ないから、急いで出願するよ!」
母はPCを広げ、聖カサブランカの出願手続きを急いだ。
「ありがとうママ…!わたし、今度こそ、合格するからね….」
理衣沙は号泣した。願いはようやく、通じたのだった。
出願手続きのためにアクセスした聖カサブランカのホームページトップ画面にはこんな言葉が飾られていた。
(162話に続く…)