二月の勝者113話のネタバレ考察|無料塾「スターフィッシュ」の伏線、ついに回収!

スターフィッシュの活動を明かす黒木
二月の勝者(にがつのしょうしゃ)113話のネタバレ考察ですが、黒木が佐倉に対して、スターフィッシュの経緯について話を始める。第4巻で謎が残っていた「星を拾っては投げている」活動の意味がここに来て明らかになる。
⚠︎こちらでは二月の勝者本誌113話のネタバレと考察をしております。重大なネタバレが含まれる可能性がありますのでご注意下さい。

二月の勝者113話のネタバレ

前回までのあらすじ

・黒木の無料塾とは
・相対的貧困とは
・黒木の愛弟子は元フェニ生
・普段は見せない顔を見せる黒木

第113話『十二月の連環』

黒木の単なる独り言

スターフィッシュのクリスマスパーティーを後にする佐倉。
先に出ていった黒木の後を急いで追う。ショーマに渡されたクリスマスパーティーのお裾分けを黒木に届けるためだ。

前回までにも出てきたが、黒木は多忙過ぎて、とにかく栄養が取れていない。なので、ショーマが心配して佐倉に持たせてくれたのだ。

「クリスマスパーティーのおすそ分けです。召し上がってください」と黒木に追いついた佐倉。

そんな黒木は佐倉に対して、「これから喋ることは単なる独り言です」「たまたま近くにいた人がうっかり聞いてしまった」ものとして聞いてくださいと、スターフィッシュの活動について独り言を始めるのであった。

クリスマスがドラマの中の話だと思っている子どもたち

なぜ黒木が桜花ゼミナールの子供たちに対して、クリスマスはお預けにするが、スターフィッシュでは行っていたのか。それは黒木が実体験した出来事に遡る。

時は、フェニックスの人気講師として活躍した時。
黒木が授業を終えて携帯電話を見ると、当時勉強を見てあげていた一人の男の子から、複数の着信履歴が残っていた。

急いで折返し電話をすると、その子どもはこんなことを話す。

親がクリスマスでも仕事で忙しいから、近所のおばさんの家に行った。
でも、今日はさすがにちょっと…と言われ、1000円のお小遣いを渡されて追い出されてしまった。

なので、一人で寂しいから黒木の家に行けないか電話したのだという。

黒木は快諾し、自宅に帰ってクリスマスパーティーの準備を進めていると「1000円しかなかったから先生の分買えなかったよ」と、その男の子がコンビニで売っている580円のショートケーキを買ってきた。本当はホール型を買いたかったが、お金が足りなかったようだ。

黒木はその子どもに対して、ご馳走を用意し、クリスマスプレゼントをサプライズすると、「クリスマスにご馳走食べてプレゼントもらえるとか、ドラマの話だと思っていた。俺ドラマの中の人になったみたい!」と泣きながら喜んだ。

そんな男の子の姿を見て、「クリスマスは架空の世界だと思って生きている子どもがいるなんて」とショックを受ける。

当たり前を享受できない子どもたち

桜花ゼミナールの子どもは、そんなクリスマスを家族で祝うことができる。
一方、スターフィッシュの子どもにはそんな当たり前のクリスマスがやってくるわけではない。
それが黒木が桜花ではクリスマス会をしないが、スターフィッシュではクリスマス会を行う理由だった。

夜中に酒を飲んで暴れる家庭の中学生、狭い1LDKで赤ん坊の夜泣きに悩まされながらも親の代わりをする高校生…。

その子どもたちは、親を思い、親に迷惑をかけないため、そんな境遇を周囲に黙っていることが多い。だから、なかなか気づくことができない。

そして何より、見つけられたとしても、必ずしも助けになるかはわからない。それが世の中を大きく変えられるわけではない。

しかし、波打ち際に打ち上げられて干からびるのを待つヒトデを、自分の手の届く範囲だけも拾い、海へなげて返したい…

黒木がやっていることは、アメリカの自然科学者ローレンアイズリー「星投げ人」なのであった。

どっちの子どもも根本は同じ

黒木は「独り言が長引いてしまった」と桜花に戻りましょうと提案する。
そして、スターフィッシュの子どもにもこんなことがあった、と最後にこんな話をする。

先日、スターフィッシュの子どもに家出騒動があったという。
「親は都立高校の受験に失敗したら、私立の学費がかかるから..」という理由で、夜勤を増やし必死に仕事をしていた。
しかし、家に親が帰ってくると、自宅では受験勉強せずに家でゲームをしている子どもがいた。「子供の学費のために頑張ってるのに!」と大喧嘩になり、その子どもは家出して、ショーマが説得に手を焼いた話なのだが、「どこかで聞いたことはありませんか?」と黒木が佐倉に質問をする。

確かに桜花ゼミナールでも、高い授業料を払っているのに、ゲームばっかりで勉強に身が入らない子どもに激怒する家庭があった。

佐倉はどちらの家庭も根本は一緒だと気づく。

教育費にお金をかけられる家庭も、なんとか高校までは行かせたいと夜中まで働く家庭も、「どっちがどっち」じゃないのであった。

「私の手の届く“星”を海に帰すのみ」

そんな言葉を残し、第113話は終了する。

二月の勝者112話の考察・感想

2月の勝者113話の考察

遡ること第4巻。

黒木の謎の活動を探っていた佐倉ちゃん。
ある日、吉祥寺のいかがわしい雑居ビルにて、黒木の活動拠点を発見。そこでショーマに対して、「黒木先生はここで星を拾っては​投げるんです」という言葉を残していましたね。

113話に来て、やっとここの伏線が回収されました。

黒木の無料教室の活動名も「スターフィッシュ」ですが、これはヒトデという意味ですね。
星を拾っては投げているというのは、ローレンアイズリー「星投げ人」になぞらえていることがわかりました。

さて、次回からはようやく舞台は塾に戻ります。

志望校を送ってこなかった今川家の状況などが気になるところなので、次回はその家庭をどのようにハンドリングするのか、という話になりそうです。


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